婦人科で診察する病気の症状

陰部のかゆみ・痛み、不正出血、下腹部痛は婦人科系の病気の可能性があります

女性のデリケートゾーンは分泌物が多く、蒸れやすい場所ですので、かゆみがあるのは珍しいことではありません。特にストッキングやガードルを履いている女性は蒸れやすいので、病気でなくてもかゆみがあるのは誰もが経験することです。

粘膜の接触で性病の原因菌に感染

病気が原因でデリケートゾーンにかゆみが出る場合、雑菌による外陰炎をはじめ、カンジダ、トリコモナスなどの性感染症(STD)、おりものシートやナプキンの刺激でかぶれを起こしていることがあります。

普段から、通気性の高い下着を着用し、おりものが多い日はこまめに取り換えるようにしましょう。お風呂でデリケートゾーンを洗う際は、石鹸でゴシゴシ洗うと、粘膜が傷ついて雑菌が感染したり、かぶれたりしたかゆみが強くなることがあるので注意しましょう。

排卵時に骨盤内が充血して腹部が重くなり、外陰部が充血して痛くなることがあります。また、外陰部が月経時に痛み出す人もいますが、一時的なものですので自然に良くなります。カンジダ、トリコモナスに感染していたり、皮膚炎にかかっていると下着と擦れるだけで痛みを感じることもあります。

陰部にしこりがある
陰部にしこりやおできのようなものができる場合、原因としては陰毛の毛根部分に大腸菌やブドウ球菌などが感染してニキビができる毛膿炎が考えられます。また脂肪腫という、弾力性のあるしこりができることがあります。

膣の入り口にあるバルトリン腺に溜まった分泌液が大きなしこりになる、バルトリン腺嚢種という病気もあります。炎症を伴わなければ痛みはありませんが、ピンポン玉くらいの大きさになることもあります。

下腹部痛が我慢できない
月経前、月経中、排卵期に下腹部痛が起きることがあります。痛みがひどい場合は我慢せずに婦人科に相談しましょう。また、卵巣嚢腫が大きくなると、下腹部痛が痛みますし、卵巣が捻じれる茎捻転で下腹部が激しく痛むこともあります。子宮筋腫子宮内膜症でも痛みが現れます。子宮内膜症で、癒着が進むと月経以外でも痛みが起きることもあります。

不正出血がある
月経でもないのに膣から出血がある場合を「不正出血」といいます。月経と不正出血の判別は以下のようになります。月経は毎月あり、周期がずれることはあっても10日以内の範囲に収まります。血液の量は最初の1~2日でその月の1/2~2/3くらいの血液量が出るとされています。量は2日目が一番多く、その後減少して、3~7日くらいで出血がなくなります。

一方、不正出血の場合は、周期と関係なく起こり、最初から血液の量が少なく、茶色っぽい血液がダラダラと続きます。おりものの中に線状の血が混じったり、クリープ色やピンク色の、おりものか出血か見分けにくいものもあります。

セックスの後に不正出血が見られる場合、性感染症(STD)によって膣が炎症を起こしていたり、子宮膣部びらんや子宮頸管ポリープがペニスの刺激によって出血を起こしていることが考えられます。不正出血は子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)でも見られますので、必ず婦人科の検査を受けることが大切です。

生理のプロセスを知って、トラブルの早期発見につなげましょう

生理は、脳の視床下部や下垂体、卵巣、子宮が連携することで起こります。以下で生理が起こる仕組みを順番に見ていきましょう。

女性ホルモンの働きで妊娠ができる

①視床下部は、血液中の卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)が少なくなると、下垂体に指令を出します。

②下垂体は、その指令を受けて、卵巣に性腺刺激ホルモンを送ります。

③発育過程の卵胞は、卵胞ホルモンを分泌します。卵胞ホルモンの濃度が高まると、子宮内膜が厚みを増してきます。

④卵巣から分泌された卵胞ホルモンが血液によって運ばれ、視床下部が下垂体に対して黄体化ホルモンを分泌するように指令を出します。

⑤黄体化ホルモンの影響で排卵が起こります。排卵後の卵胞は、黄体となり、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。黄体ホルモンは、子宮内膜を、受精卵が着床しやすいように変化させます。

⑥排卵後にできた黄体は、受精卵の着床がない限り、二週間ほどで寿命を迎えます。このとき、黄体ホルモンによって維持されていた子宮内膜が剥がれて、出血を伴って、経血として排出されてます。

30代の生理不順については、晩婚化の傾向にある現在、不妊予防という観点からも、3か月以内生理が来なければ婦人科を受診するようにしましょう。40代では更年期による生理不順と、ストレスなどで卵巣のホルモンを作る命令機能が乱れて起こる生理不順の2種類があります。

血液検査で各種ホルモンの値を測定すればある程度、原因がどちらかを推測することができます。50歳前後で1年間、生理が無ければ閉経と考えられます。